ここ数年、テレビやインターネット上で健康によいと話題になっている「貧乏ゆすり」。
複数の研究により、変形性股関節症の改善やストレス解消、脳の活性化にも効果的だとわかってきました。
本記事では、
について詳しくお伝えします。
「老化は下半身」からといいます。
貧乏ゆすり運動を生活の一部に取り入れ、いつまでも健康な体を手に入れましょう。
貧乏ゆすりの効果は多数ありますが、代表的な効果を以下7つに絞ってお伝えします。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
貧乏ゆすりの効果として最初にお伝えするのが「変形性股関節症の改善」です。
貧乏ゆすりは海外ではジグリングとよばれ、変形性股関節症のリハビリに取り入れられています。
変形性関節症とは股関節の軟骨がすり減って、すき間(裂隙:れつげき)が狭くなり変形する病気です。
貧乏ゆすり(ジグリング)で小刻みに持続的に股関節が動くと、関節液の循環がよくなります。
すると軟骨に栄養が行き渡り、再生を促すと考えられているのです。
日本の整形外科学会でも、ジグリングにより軟骨が再生したと思われる症例が多数報告されています。
参考:
J-Stage『変形性股関節症に対する関節温存手術後の関節症に対するジグリングの効用』
J-Stage『成人脳性麻痺症例の変形性股関節症に対する保存的治療に成功した一例』
こちらの研究では1日2時間の自動ジグリング機器を使用していますが、貧乏ゆすりは長い時間やればやるほど、軟骨の再生に効果を発揮します。
また個人差はありますが、約 6ヶ月〜数年の継続が必要だとされています。
とはいえ、
「自力で2時間もの貧乏ゆすりは大変」
「貧乏ゆすりを6ヶ月以上も継続できるか不安」
「近くに自動ジグリング機器を置いている病院がない」
という方には、自宅で簡単に貧乏ゆすりと同様の運動ができる器具「あしふみ健幸ライフ」の使用がおすすめです。
※貧乏ゆすりがリハビリによい理由をより詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
貧乏ゆすりの健康面の効果として2番目にお伝えするのが、冷え性やむくみの改善です。
ふくらはぎや股関節を動かすことで、血液の流れと代謝がよくなるからです。
冷えとむくみは、血流と代謝が悪くなることで起こります。
人間の血液の約70%が、重力により下半身に集中しています。
その血液を心臓に戻すポンプの役割をするのが、ふくらはぎです。
貧乏ゆすりでふくらはぎのポンプ機能が活性化し、その結果、全身の血流がよくなるのです。
さらに股関節の周辺には下半身最大のリンパ節が集中しています。
貧乏ゆすりで股関節を動かすと、リンパが流れやすくなり代謝が上がります。
ふくらはぎと股関節を同時に動かせる貧乏ゆすりは、血流と代謝をよくし、冷えやむくみの予防・改善に効果的な運動です。
貧乏ゆすりの3つ目の効果は、免疫力のアップです。
ふくらはぎや股関節を動かすと血流がよくなり、その結果体温が上がるからです。
人間の体温が1度上がると、免疫力は5倍になります。
血液には、白血球を体全体に運ぶ役割もあります。
白血球は、体内に入った異物をやっつけてくれる重要な物質。
血のめぐりが悪いと体内で白血球を運べなくなり、免疫力が下がってしまいます。
貧乏ゆすりの4つ目の効果は、エコノミークラス症候群の予防です。
血流がよくなると、血栓ができにくくなるからです。
エコノミークラス症候群とは、長時間狭い座席に座り続けることで、血流がとどこおり静脈に血栓ができる症状。立ったときに血栓が肺に飛び血管を詰まらせ、ひどい場合には死に至ります。
飛行機や乗り物に乗ったときだけでなく、デスクワークなどで長時間座りっぱなしの人にも起こります。
長時間座って過ごすことが多い方などは、血栓を作らないよう貧乏ゆすり運動で血流を改善しておきましょう。
関連記事:
貧乏ゆすりの5つめの効果は、セロトニンの増加です。
歩行や呼吸、噛んで食べるなど一定のリズムを刻む動作を意識的におこなうと、セロトニンの分泌が促進できるといわれています。
貧乏ゆすりも一定のリズムを刻む運動なので、セロトニンの増加に有効です。
幸せホルモンとよばれるセロトニンが増えると自律神経が整い、ストレスや不安の軽減につながります。
関連記事:
貧乏ゆすりの効果として6番目にお伝えするのは、認知症の予防です。
貧乏ゆすりで血流がよくなると、脳神経が活性化します。
脳はたくさんの血管が集まる場所です。
体全体の血流を改善すれば、血液に乗って酸素や栄養素がたくさん脳に運ばれ、脳のはたらきが活発化します。
また、フレイル(加齢により心身が衰え介護などを必要とする虚弱な状態)も認知症を引き起こす重大な原因の一つです。
貧乏ゆすり運動で大腿四頭筋を鍛えると、ひざや股関節の曲げ伸ばしがスムーズになるだけでなく、転倒防止や歩行機能の維持にも役立ちます。
その結果、フレイルの予防につながります。
脳神経を活性化し、かつフレイルも予防できる貧乏ゆすりは認知症の予防に大きく役立つ方法として注目されているのです。
参考:健康長寿ネット「フレイルと疾患ー運動器疾患」
公益財団法人長寿科学振興財団「運動によるフレイル予防:最新のエビデンス」
貧乏ゆすりの効果で最後にお伝えするのは、ダイエット効果です。
貧乏ゆすり運動は、筋肉を増やして基礎代謝を上げます。
基礎代謝とは、じっとしていても毎日必ず使われるエネルギーのこと。
基礎代謝が上がれば、根本から痩せやすい体作りが可能です。
下半身には全身の6〜7割の筋肉があり、たくさんのエネルギーを消費します。
貧乏ゆすりで下半身の筋力がアップすれば、体の余分な脂肪がエネルギーに変わり燃焼しやすくなるのです。
また貧乏ゆすりには、血流をよくして体温を上げる効果もあります。
体温が1度上がると基礎代謝量が12〜13%上昇し、やせやすい体になるともいわれています。
貧乏ゆすりのダイエット効果について、より詳しく知りたい方は以下の記事もご参照ください。
貧乏ゆすりは、座ったまま運動できる点が大きな魅力です。
ご高齢で運動がおっくうになってきた方や、デスクワークが多い方でも読書や仕事をしながら簡単にできます。
貧乏ゆすりの効果を出すために最も大切なのは、続けることです。
一時期だけでやめてしまっては、お伝えしたような効果を得るのは難しいでしょう。
しかし継続すれば、血流や体温、免疫力、筋力までアップできる理想的な運動法です。
ここでは自力で貧乏ゆすりをする方法と、健康器具を使う方法を2つお伝えします。
まずは自力で脚を揺らす貧乏ゆすりの方法をご紹介します。
1日に多い回数やればやるほど効果的です。
※痛みが出る時は、無理のない範囲でおこないましょう。
①つま先を床につけたまま、かかとだけを上下に小刻みに動かす
②片足20秒ずつ、交互に行う。
ポイント:片足をゆらしている間、もう片方の足は床につけたまま動かさないこと。
逆にかかとを支点にして、つま先を上げ下げするのもOK。
ひざを曲げる角度は、90度かそれ以下に収める。
毎日自力で続けるのが難しいと感じる方は、足ふみ健康器具を使えば簡単に貧乏ゆすりと同様の効果が得られます。
整形外科学会の研究結果では、1日2時間の貧乏ゆすりで効果が出たとありますが、毎日これだけの時間を自分でおこなうのは大変ですよね。また貧乏ゆすりの効果を出すには、半年〜数年単位の日常的な継続が求められます。
健康器具を使えば、ご自宅で日々の生活に簡単に貧乏ゆすり運動を取り入れられます。
なかでも「あしふみ健幸ライフ」は、ウォーキングと同様の歩行運動が可能だと医学博士からも認められている器具です。
股関節周辺の筋肉がほぐれるので、
などに効果的です。
さらに貧乏ゆすり運動で股関節を動かせば、坐骨神経を圧迫する梨状筋を緩め腰痛を和らげる効果もあります。
近年、アメリカやオーストラリア、イギリスをはじめ世界中で座りすぎによるがんや病気の発症、死亡のリスクが問題視されています。
WHO(世界保健機構)が「座りすぎが世界で年間200万人の死因になる」と警鐘を鳴らすほど深刻です。
なかでも日本人の座っている時間は1日7時間と、世界20カ国の中で最も長いと発表されています。ご高齢の方やデスクワークで座る時間が長い方は、特に注意が必要です。
イギリスの大学研究チームの発表では、1日5〜6時間座りっぱなしでも頻繁に貧乏ゆすりを行うことで死亡リスクが37%も低下すると報告されています。
自力で長時間おこなうには面倒な貧乏ゆすりも、同じ運動効果が得られる器具の助けを借りれば、簡単なので毎日続けられます。
貧乏ゆすり運動を生活の一部に取り入れ、健康に長生きする準備をされてみてはいかがでしょうか?
参考:スポーツ庁「日本人の座位時間は世界最長「7」時間!座りすぎが健康リスクを高める あなたは大丈夫?その対策とは・・・」
参考文献:
井上明生・広松聖夫共著『びんぼうゆすりで変形性股関節症は治る!』エイチアンドアイ(2017/3/13)
井上明生著『一生寝たきりにならない体は「貧乏ゆすり」でつくる!』日本文芸社(2012/11/10)
企画編集部『股関節の激痛は自分で治せる!』マキノ出版(2021/2/5)
高平尚伸、杉山肇著『股関節痛 変形性股関節症 整形外科の名医が教える最高の治し方大全聞きたくても聞けなかった160問に専門医が本音で回答!』文響社(2020/10/15)
吉原潔著『貧乏ゆすりでゆる体活』ヘリテージ(2022/6/24)
慎孝子著『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』アスコム(2014/2/26)
松井 宏夫、 板倉 弘重著『長生き「できる人」と「できない人」の習慣』明日香出版社(2016/11/12)
青柳幸利著『あらゆる病気は歩くだけで治る!』SBクリエイティブ(2017/10/5)
岡浩一朗 著『「座りすぎ」が寿命を縮める』大修館書店(2017/10/17)
遠藤英俊著『認知症にならない!させない!世界実証メソッドを網羅!脳の名医が教える最高の脳活大全』文響社(2021/1/11)
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